「成年後見制度の利用促進に関する法律」という法律があります。この法律に従って県西支部内の幾つかの市や町では、中核機関という仕組みを設置し、または設置しようとしています。
私はこの中核機関をどのような形で設置するか、またはどのように運営するかを話し合うために集められた士業達(司法書士会、社会福祉士会、行政書士会、税理士会、弁護士会等から参加してきます)の会の会長を複数の市や町で担ってきました。
中核機関には次のような役割が期待されています。
被後見人等(以下「本人」と言います)に身近な親族、福祉・医療・地域等の関係者と後見人等が互いに連絡を取り合い、チームとなって日常的に本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し、必要な対応を行う仕組み(以下「チーム」と言います)を活性化させます。
従来、後見人等は本人の財産管理がその業務の中心とみられてきたこともあってか、本人に身近な親族やケアマネ、福祉関係者等によるケース会議に、後見人等が呼ばれてすらいなかったり、そもそも連絡先すら共有されていないことも多々ありました。中核機関は、チームに後見人等をしっかり取り込み、他のメンバーとも継続的に連絡を取り合える仕組み作りと雰囲気作りを進めて、現状を改善します。
その他に、後見人等が必要な人々の事情に合わせて、どの士業が候補者にふさわしいのか選択する仕事もします。また後見人等に選任された親族を様々な形で支援する仕事もあります。
今後は、チームと連携して、後見人等に選任されたのに十分に働かない専門家に注意をしたり、それでもダメなら家庭裁判所に連絡して後見人等の交代を促したりする役割も期待されます。
成年後見制度が導入されて25年。この制度が本当に本人や家族のみなさまに使いやすいものになるよう、他士業の方々と協力して中核機関を作っていきます。