執筆者 : 小室 充孝
神奈川県西部に位置する南足柄市の山奥に,大雄山最乗寺というお寺があります。境内はとても広く,四季折々の美しい景色も楽しむことができ,地元では「道了尊」の名で親しまれているお寺ですが,曹洞宗の中で永平寺,総持寺の次に位置する格式あるお寺でもあります。
〔最乗寺の参道に林立している杉の巨木〕 H27.11執筆者が撮影
9年前のお正月に,42歳の厄除けのため,最乗寺を参拝しました。その際に,たまたま,総受付に置かれていた「仏像を彫る教室」のチラシを目にし,その年の6月,迷ったあげく勇気を出して,この教室に入会しました。
当時,東京国立博物館で開催された「国宝阿修羅展」をきっかけに空前の仏像ブームが巻き起こっており,このブームに乗せられたのと,仕事や家庭?のストレスの解消になるかもしれないというのが入会のきっかけでした。
入会以来9年も続けてこの教室に参加させていただいていますが,毎回,仏師の先生や教室の先輩方から丁寧なご指導をいただいています。 教室は,毎月,第2・第4土曜日に,最乗寺の境内で開催され,毎回,40名程の方が参加されています。 お寺から御依木(台風などで倒れた樹齢400年を超えるような大雄山の杉の端材)を提供していただき,これをノミや彫刻刀で彫って仏像にすることもあります。
執筆者が御依った仏像
〔仏頭(木で彫阿弥陀如来)〕
〔聖観音像〕
これまでに彫った仏像は,もう20体を超えてしまいました。彫刻をしている間は,彫ることだけに意識が集中しますので,これによる仕事のストレス解消効果は抜群です。
教室の仏師の先生が,以前,教室の新聞取材に答えて,「心が良ければよい仏像が彫れる。技術は関係ありません。彫るうちに人相がよくなるのも指導していて楽しい。」とおっしゃっていました。私の場合,ストレス解消効果とあわせて,こちらの人相改善効果についても大きな期待を寄せています。
教室に参加されている方の多くが「仏像の顔は,彫った人の顔に似る。」と言っています。
私は昨年,50歳になりましたので,もう論語でいえば「天命」を知り,原道訓でいえば「四十九年の非」を知っていてよい年齢です。
厳しさの中に同じくらいの優しさ,冷たさの中に同じくらいの暖かさが感じられるようなお顔。そんなお顔の仏像が彫れたらいいなと思っています。
〔執筆者が執務している法律事務所の所属弁護士5人と一緒に事務所の打合室にて〕
(後段中央が執筆者)
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