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弁護士コラム

14
December
2016

ユーシン紀行

執筆者 : 岡安 知巳

 中学3年の盛夏、私が所属していた浅野中高ワンダーフォーゲル部はユーシンの河原で夜営をしていた。夜半、雷鳴が轟き、テント内の部員の顔がはっきりと見えた。今でもあの時の光景が目に浮んでくる。
 四半世紀余り後、私は、秋が深まりつつある正午過ぎに、再びハイカーで賑わうユーシンにたたずんでいた。

 ユーシンは、丹沢湖の東端にある玄倉(くろくら)から北東に延びる林道を9キロ進んだところに位置している。林道の脇を玄倉川が横たわり、ところどころ渓谷美(最近ではユーシンブルーというらしい。)を堪能することができる。

 私たち弁護士会県西支部有志+αの9名は、暖かく穏やかな陽気の中、平成28年11月12日午前9時37分に玄倉バス停をユーシンに向け出発した。

 ユーシンという珍しい名前については、ハンス・シュトルテの次のような記述がある。
 「小宮さんが命名されたのは「湧津」だそうです。これは昭和三、四年頃の事で、当時あの地区の本拠になっていた処は諸士平(雨山沢の入口の河原の平坦地)であったが、昭和三年に大水害があって施設が流出したので、現在のユーシン地区へ本拠を移して宿舎及び人夫小屋ができたそうです。」(ハンス・シュトルテ「湧津の謎」『続 丹沢夜話』(有隣堂1991年))

 正午過ぎ、私たちはユーシンに到達し、閉鎖されたユーシンロッジ前の広場で昼食をとった。昼食は各々が用意してきたが、メンバーの一人がカツ丼を作ってくれた。コッフェルでごはんを炊き、持参した豚カツを玉ねぎ、卵と自作の鰹昆布出汁でとじたものである。絶品であった。

 午後1時半過ぎに帰途についた。午後の日差しの中で色とりどりの鮮やかな紅葉が映えていたが、それが隧道(ずいどう:トンネル。確か長短新旧取り混ぜ8箇所あった。)の暗さを際立たせているような気がした。

 午後4時頃、玄倉バス停に到着した後、中川温泉の「ぶなの湯」で汗を流し、帰路についた。

 なお、閉鎖されているユーシンロッジについては、神奈川県が昨年8月に「ユーシンロッジの利活用に関する提案募集」をし、事業候補者の選定があったとのことである。
 事業計画としては、「宿泊定員を80名から40名に縮小して、健康増進やデジタルデトックスプログラム(デジタル機器から一定期間離れる取組)など、新しい野外活動の楽しみ方を提案する「森のリラクゼーション」事業等を実施するほか、「西丹沢」、「ユーシン」のブランド化に取り組み、Tシャツやオリジナルグッズを作成・販売する。」(神奈川県ホームページ参照)とのことであり、大いに期待している。

執筆者情報

弁護士名 岡安 知巳
事務所名 まちかど法律事務所
事務所所在地 〒250-0004
神奈川県小田原市浜町1-2-24 平井ビル5階
TEL 0465-20-1115
FAX 0465-20-1116
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