執筆者 : 阪之上 克巳
小田原は,東海道9番目の宿場であったことからも分かるように,歴史あるまちです(ちなみに平塚が7番目,大磯が8番目,箱根が10番目の宿場です。)。太平洋に面しており気候温暖な地としても知られております。
最近民間のシンクタンクによって行われた市町村別の魅力度調査でも小田原市は全国82位となったようです。小田原で弁護士をしております私にとっても嬉しい結果でした。
さてこのような魅力溢れる小田原には,明治時代の半ばころから,多くの政治家や財界人,文人などが邸宅と庭園(邸園)をかまえました。今でも多くの邸園がのこされており,気軽に見学することができます。
今回,これら邸園を歩いて回り,地元の魅力をさらに探求しようということになり,12月のある土曜日の午前,我々は,南町一丁目にある「清閑亭(せいかんてい)」に集まりました。
当日の予定は,この「清閑亭」,南町二丁目にある「小田原文学館」そして板橋にある「松永記念館」の3つの邸園を歩いて回ることです(企画の副次的な目的は,日ごろの運動不足の解消です。)。
このとき小田原市では「小田原邸園スタンプラリー」を行っていました(本コラム記事掲載時点でも行っているようです。)。
これら3つの邸園を全て回りスタンプを3つ集めると,「邸園グッズ」をいただけるということでもあり,スタンプを集めるという楽しみもありました。
清閑亭は,小田原城から歩いて5分ほどのところにあります。別称の「旧黒田長成別邸」からも分かるように,黒田官兵衛の直系の子孫である黒田長成(ながしげ)の別邸として,1906年(明治39年)に建築された建物です。
数寄屋風の造りの建物には随所に工夫が施され,想像以上に広い室内には沢山の見所(屋久杉の天井板,透かし彫りの欄間,当時のままの室内灯など)があり,時間が経つのも忘れ,見入ってしまいました。
ただ,正直建築についての専門的な知識などない私のお勧めは,やはり2階から一望できる相模湾の絶景と,1階にある喫茶室「カフェ清閑亭」で過ごすリラックスできる時間です。
「カフェ清閑亭」ではコーヒーや紅茶,抹茶以外にもビールも注文できます。よほどビールを注文しようとしましたが,ビールを所望したのは,A弁護士と私の二人だけであり,同調圧力とこれからの徒歩での行程を考え(笑),抹茶を注文しました。
山縣有朋が実際に使用していたとされる大きな座卓(天板は欅(けやき)の一枚板とのことです。)を囲んで,美味しい抹茶を飲みながらホッと一息をつくひとときは,普段味わうことのできない充実した時間でした。
清閑亭は1時間もあれば,歴史ある建物内部をゆっくりと回り,相模湾を一望した後,カフェで休憩しながらリラックスすることができます。
私は地元出身ですが,恥ずかしながら清閑亭について全く知識がありませんでした。小田原にこのような素晴らしい邸園があることを知り驚きました。
全国から小田原に観光に来られる方は,小田原城を散策されると思います。小田原城からほんの数分だけ歩いてみてはいかがでしょうか。素晴らしい邸園が待っております。
もちろん地元の方にも是非訪れていただきたいと思います。
次回のコラムでは,清閑亭の後に訪問しました「小田原文学館」と「松永記念館」について記載したいと思います。
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