執筆者 : 米積 直樹
私が平塚の地で開業し間もなく2年が経とうとしております。今回は私の出身地についてお話しさせていただきます。HP等の自己紹介でも触れていますが,私は九州の鹿児島県の出身です。
みなさんがいだく鹿児島県のイメージはどのようなものでしょうか。
例えば,「鹿児島県民はみんな西郷さんが大好きだ。」。
その通りです。大好きなんです。
鹿児島県民は西郷隆盛のことを「西郷(せご)どん」と呼んで敬慕しており,その逸話に触れる機会も多いです。小学生でも「敬天愛人(けいてんあいじん)」という西郷の座右の銘を知っています。
西郷が明治維新において薩摩藩の中心として振るった政治的手腕はもちろんですが,茫洋としてどこまでも大きいその人格的な魅力や,西南戦争において,薩摩隼人達の刹那的な蜂起に身を委ねたその悲劇的な最期が人々を惹きつけるのでしょうか。
鹿児島市立美術館近くには,高さ8メートルにも上る西郷の銅像が昭和12年に設置されており,鹿児島県民の暮らしを見つめています。鹿児島土産も西郷にちなんだものが非常に多いですね。
一方で明治維新における薩摩藩のもう一人の巨頭である大久保利通に対しては,鹿児島県民は少し冷めた視線を送っているように思います。倒幕から新政府樹立,新政府における内政機構の整備に果たした貢献からすれば,日本史上最大級の政治家と評価されてもおかしくないと思いますが,やはり西郷と敵対し,死に追いやったという思いの方が強いのかもしれません。大久保の像も鹿児島市内にはありますが,設置されたのは昭和54年(!!)です。お土産も,,,,正直見たことがないです。
このように最終的に袂を分かち,県民から抱かれる思いも異なってしまった二人ですが,少年の頃からの無二の親友であり,幕末から明治という時代の転換期にまさに中心となって活躍したことは,今も変わらぬ鹿児島県民の誇りであることは間違いないです。
折しも,2018年の大河ドラマの主役が西郷隆盛となり,鹿児島県はまた盛り上がりを見せています。特に西郷・大久保という二人の関係をどのように描いてくれるのか,私もとても楽しみな思いでいます。
この放送を機に鹿児島を訪れる方が増えると嬉しいですね。幕末史がお好きな方にはとても見所が多いですし,良質な温泉も豊富です。焼酎の種類が豊富なことはもちろんのこと,黒毛和牛に黒豚,さつま地鶏と肉類は何でもござれです。
そして桜島です。常に噴火警戒レベル3という活火山ですが(観光に危険はありません。念のため。),噴煙を上げる勇壮なその姿は,鹿児島県民の日常に溶け込んでいます。
晴れた日には、鹿児島湾(別名,錦江湾といいます。)の海面に反射した日差しが、桜島のゴツゴツとした岩の山肌に,まさに錦のように映り込んで青みがかり、非常に美しいです。
私が故郷のことを思い出すときまず浮かぶのはこの風景であり、ぜひ多くの方に見ていただきたいと願う風景でもあります。
どうでしょう。鹿児島,行ってみたくなりませんか。
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