執筆者 : 奥田 裕介
月日が経つのは早いもので、ほんの少し前にお正月を迎えたとばかりに思っていましたが、気がついたら、2月も終わろうとしています。そして、今年の冬は、ここ数年の中では特に寒く、体調を崩された方もいらっしゃることでしょう。暖かい春が待ち遠しいです。
さて、今日は、私の気分転換についてお話しします。
私は、縁あって、昨年の6月から、毎月1回、東京まで茶道の稽古に通うようになりました。
元々、古くからの知り合いが茶道の先生であったこともあり、毎年、初釜(その年最初の茶の湯会をいいます。)にお邪魔して、簡単な手ほどきを受けてはいました。ただ、日本の伝統文化の一つである茶道を正式に学びたいと思い、この茶道の先生からある流派を紹介してもらいました。
今の私は、茶道に関してまだまだ全くの素人ですから、まずは基本姿勢や動作、そしてお茶を頂く際の作法などを憶えることから始めて、現在は、割稽古(わりけいこ)という、茶の湯の点前(てまえ)の基本となる作法を部分的に取り出して個別に稽古するという段階です。
この割稽古では、茶巾のたたみ方や帛紗捌き(ふくささばき)を学ぶとともに、ポットに入れたお湯を使って実際にお茶を点てていきます。動作の一つ一つには、各々、きちんとした理由がある(らしい)のですが、それを理解して実践できるようになるまで、私の感想としては、少なくとも10年以上の稽古が必要だろうと感じています。
左が帛紗 右が扇子(末広)
割稽古を通して私に色々と教えて下さる方々は、みなさん、20年、30年と稽古をされている方ばかりです。
ちなみに、私の目下の目標は、手前の基本作法を憶えることではなく、はたまた、茶器に対する目利きを鍛錬するなどといった高尚なことではなく、実は、長時間にわたって正座ができるようになることです。恥ずかしながら、今の私は、継続して30分以上は正座をすることができず、割稽古の最中であっても、足のしびれを緩和するために何度か足を崩している有り様です。
いつになったら、人様に自分の手前を振る舞うことができるようになれるのか、全く予想できない状況ではありますが、正座の痛みに耐えながらも、仕事のことを完全に忘れて新しい学びに没頭することが、私の気分転換になっています。
稽古道具一式
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