執筆者 : 町川 智康
それはある飲み会での県西支部会員A子との会話からはじまった。
A子「町川先生。最近の県西支部のホームページどう思います。みなさんのコラム、とても趣が深くて、個性的で、素晴らしいとは思うんですけど。なんだか高尚すぎて、私たちが知っている弁護士の実態と合ってないと思いませんか。これじゃあ読んでくれた市民のみなさんが弁護士をとても立派な存在と誤解しちゃいます。弁護士の敷居がより高くなってしまわないか心配です。」
私「それじゃあ、どうすればいいと思うんだい。」
A子「弁護士の中には、こんなにくだらない奴も居るんだということがよく分かるようなコラムが必要じゃないかな。それが書けるのは、町川先生しかいないと思うんです。町川先生くらい、くだらないことを考える人は誰がみてもいません。」
複雑な思いであった。しかし確かに、A子の言うことは一理ある。そして「湘南ベルマーレを県西支部を挙げて応援しよう!!」なんていう決議案を本当に支部総会に提案してしまうという実績は、人によっては高く評価されているようだ(注1)。
このようなことから私は、Fドリーム平塚でのカートレース企画を思いついた。
自ら企画し、実行し、それをネタにコラムを書く。このマッチポンプ方式を当たり前のように実践してきた我らが県西支部ホームページ運営委員会では、なぜかすんなり受け入れられた。そして9名の委員全員がひとりも欠けることなく、この企画に参加することになった。
史上初めて6月中に梅雨が明けた平成30年の平塚で、7月16日(海の日)の午後、それは人知れず実行に移された。梅雨明け十日と呼ばれる好天の期間を過ぎているにもかかわらず、更に連日好天続きで、気温は連日35度近くを記録する日々の中、9名の弁護士と1名の法テラス職員の姿がそこにあった。
まず10周の練習走行兼予選である。若干の緊張感、暴れるハンドルを強く握ってコーナーを攻め、直線ではギリギリまでスピードを上げて前の車を追う感覚は非日常そのものである。予選から気が付くと全力で戦っていた。予選1位は大方の予想を裏切って私、2位は山梨大輔弁護士、3位は阪之上克巳弁護士であった。
その後の本戦では、上位陣がそろってスタートの合図に気付かず大木秀一郎弁護士が一時トップに立ったり、タイヤバリアが破壊されたり、女性陣3名が裏トップ争いのデットヒートを繰り広げるなどする中、とうとうチェッカーフラッグが振られた。
結果、優勝は体重のハンデをはねかえしたペーパードライバー山梨弁護士、2位は毎日の自動車通勤で鍛えられているのか阪之上弁護士、3位は法テラス職員のSさん、私は4位に沈んだ。一時トップに立った大木弁護士は5位であった。交通事故問題に関する研修の講師を務める立場だけに事故を避けようと慎重になったのだろうか。なお、優勝した山梨弁護士の最速ラップは40秒009と、初挑戦としてはなかなかの好成績であった。
終了後は美味しいお酒を参加した10名全員で楽しくいただきました。
弁護士の中には、こんなにくだらない奴らもいるのだということ。これで十分わかっていただけたのではないでしょうか。
※このコラムには、カートレースが行われたこととその結果以外の一部に、フィクション(注2)が含まれています。
【県西支部ホームページ運営委員会による注記】
※1 筆者の思い過ごしと思われる。これを高く評価する県西支部会員の存在を私たちは確認していない。
※2 フィクションというより、これは完全に妄想と呼ぶべきであろう。
弁護士名 | 町川 智康 |
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