執筆者 : 河合 郁
県西支部会員有志約20名にて、平成30年11月10日から翌11日まで、長野県松本市を訪れました。
今回の旅行で訪れた研修地は、旧松本区裁判所庁舎(松本歴史の里)です。
旧松本区裁判所庁舎は、明治41年に松本城二の丸御殿に建てられた裁判所で、建物内に区裁判所と長野地方裁判所松本支部とが併設された裁判所です。
なお、区裁判所というのは、戦前の裁判所組織の名称で、現在の簡易裁判所にあたります。
昭和52年に新庁舎が建築されて庁舎としての機能を失った後、市民の熱心な保存活動により市民の会が日本司法博物館として施設保存をしてきました。平成14年に松本市が運営を引き継ぎ、旧松本少年刑務所独居舎房、旧昭和興業製糸場などが併設され、「たてもの野外博物館」として活用されているのが現在の旧松本区裁判所です。平成29年には国の重要文化財にも指定され、明治後期の裁判所内の様子を知ることができます。
また、庁舎内の法廷では、大日本帝国憲法時代の法廷での刑事裁判を被告人役として体験することができました。
上の写真の証言台に立つことができ、検察官・裁判官・弁護人のやりとりを体験できる内容になっています。
仕事上では、刑事裁判を進行する立場として法廷に参加していますが、被告人の立場で、裁判に参加していると、普段気付かない点に思い至ることができました。不思議な気持ちでした。
刑事裁判のストーリーは、取調べで一度は「自白」してしまった被告人が、無罪を争うというものなのですが、果たして判決はどういった内容になるのか?
これまで刑事裁判を見たことがない方でも、是非体験していただきたいと思います。
このほか、松本市内の観光地として松本城天守にも訪れました。
城郭に造詣の深い支部会員に作成いただいたパンフレットにより、城の構造についても知識を得ることができ、貴重な体験となりました。
今回の研修は、普段の仕事を別の視点で見直すことができる、貴重な機会となりました。
このように、県西支部では、毎年、支部会員間の交流と研修を目的として、支部旅行を開催しています。
令和元年は、福島県いわき市を訪れます。被災地を訪れ、震災被害の実情や復興の様子を見聞する予定です。
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